ブルゴーニュを代表する「伝統と革新」のワインメーカー

ブルゴーニュを代表する
「伝統と革新」のワインメーカー

 「ルイ・ラトゥール」は、この地で200年以上も家族経営を守り続けている世界的に著名なブルゴーニュを代表する造り手です。ブルゴーニュ2大白ワインのひとつといわれる「コルトン・シャルルマーニュ」の生みの親としても広く知られ、今やコート・ドールでは最大規模のグラン・クリュを所有する、[コルトンの帝王]と称されています。その歴史は、1731年に一族がブルゴーニュの中心コート・ド・ボーヌでぶどう畑を所有し、ぶどうの栽培と樽づくりを手がけたことに始まります。1768年にアロース・コルトン村へ移住した一族は、フランス革命直後の1797年に、醸造家かつネゴシアン(ワイン仲買人)として創業を迎え、まだ残る革命の余波をもろともせず、徐々に自社畑を広げていきました。成功への大きな契機となったのは、4代目当主による大胆な改革でした。19世紀後半、彼はヨーロッパのぶどう畑がフィロキセラ(畑を食い荒らす害虫)で壊滅状態になった際、従来のピノ・ノワール種に替え、コルトンの丘にそれまで誰も想像さえしなかった、シャルドネ種の苗木を植樹し、後にブルゴーニュの2大白ワインのひとつと謳われた「コルトン・シャルルマーニュ」を誕生させたのです。こうした努力と成功を経て、「ルイ・ラトゥール」は現在、コート・ドール最大規模のグラン・クリュ(特級畑)を所有するブルゴーニュ屈指の造り手にまで成長を遂げています。フィロキセラ害の窮地を乗り越え、1895年に白の傑作「コルトン・シャルルマーニュ」を誕生させた4代目当主の原動力は、困難や現状に甘んじることなく、斬新なアイディアと果敢な挑戦心で新しい活路を見出そうとする革新の精神でした。フランス革命直後という困難な時期に創業を迎え、屈することなく自社畑を広げていったことでもわかるように、「ルイ・ラトゥール」には、この革新の精神が当初より息づいています。そして歴代の当主たちはこの精神を継承し続けることこそが、よりよいワインを生み出し、「ルイ・ラトゥール」を世界屈指の造り手の座に導くと信じてやまなかったのです。さらに現7代目当主であるルイ・ファブリス・ラトゥールもこれにたがわず、伝統を頑なに守り続ける一方で、常に革新的な技術の追求に挑み、最新のワインづくりに取り組んでいます。

ブルゴーニュ地方

 フランス王朝がルイ14世のもとで華麗な宮廷文化を開花させた頃、その食卓を飾ったのがブルゴーニュワインでした。宗教界の力が強かったブルゴーニュ地方では、領主達が競ってぶどう畑を修道院に寄進したため、優れたぶどう園のほとんどが修道院の所有になりました。自らの手で畑を耕す修道僧達は、ワイン造りにもその英知とエネルギーをつぎ込み、今日の傑出したワインの基礎となっています。フランス革命により、修道院の所有だったぶどう園は全て国家に没収され、競売に付されて細かく分割されました。
 1098年ベネディクト会の別流シトー会がニュイ・サン=ジョルジュ村の東の荒れ地にシトー修道院を建てました。シトー会の修道僧は質素な生活と困難な労働を生活の基準とし、岩だらけの荒れ地を開梱し、コート・ドール(黄金の丘)と呼ばれる銘醸地の基礎を造りあげたのです。それが今日の、著名な畑の細分化と各醸造元による多彩で個性的なブルゴーニュのワイン造りにつながっています。

繊細でエレガントなスタイル
最大限に果実味を引き出す

 ルイ・ラトゥールでは、強くて頻度の高いピジャーズを行いますが、果皮浸漬の期間を比較的短く抑えているため、色はそれほど濃厚ではありません。これは繊細でエレガントな品種であるピノノワールの性質を尊重し、それでも適正なアルコールに支えられたバランスを持たせることによってワインの長熟成を保証することができます。シャルドネは、全体的な力強さと向上的なバランスの維持を追及。重すぎるワインにならないために最も重要なことは、ある程度の酸を保持することで自然のアルコール度が14度を超えてはならないことです。力強さとエレガントさ、そして全体のバランスがキーワードであり、それらは常に赤白とも醸造におけるメゾンラトゥールの方針となっています。

繊細ながら洗練された
”和食”との組み合わせ

 「ルイ・ラトゥール」の赤ワインの特徴として、色の淡さがあげられますが、その問いに醸造責任者、デニス・フェッツマンが答えています。当社では、発酵期間を他社が通常3週間のところ、10〜15日間と短く設定しています。もちろん色を濃くしようとすれば、例えば、発酵期間にワインとぶどうの皮とのコンタクトを長くすることで可能です。しかしながら、あえて発酵期間を短くすることで、味わいに繊細さを残すことができ、またピノ・ノワールがもつぶどう本来の魅力が、自然に溢れ出てくるのです。
 こうした「ルイ・ラトゥール」のワインがもつ繊細さが、世界の料理の中でも、最も可憐で上品ともいえる和食の味わいを邪魔することなく、むしろ引き立て役として最良のパートナーになるのは、決して不思議なことではないでしょう。

商品に関わるものは自社でつくる

 ブルゴーニュの偉大なワインの誕生は、熟成のため約12ヶ月もの時間をともにする、樽の品質に大きく関わっています。「ルイ・ラトゥール」もその重要性を十分に認識し、自社で樽工場を所有しています。樽づくりは、今日でも決して機械化されることなく、熟練した職人によって手作業で行われており、その卓越した技術と知恵は、父から子へ脈々と受け継がれ、ワインの品質を支える財産となっています。そしてその樽は、現在、毎年2,000丁以上も生産されており、半数が、品質の高さから、世界の名だたるワイナリーに輸出されています。同様にワインの顔となるラベルもワイナリーに併設された印刷所で、1世紀以上も、ほとんど変わることのないデザインで印刷されており、商品に関わるものは自らでというこだわりの哲学は、時代を超えて堅持されています。

輸入元 アサヒビール株式会社

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