「にごり酒」は、日本酒のなかでも少し白濁した見た目のお酒。 その見た目から、「甘酒」と同じようなもの、と思っている方も多いのではないでしょうか? 今回は、甘酒、同じく見た目がにている「どぶろく」との違いにもフォーカスして、にごり酒を深掘りしていきます!
「にごり酒」ってどういうお酒?
日本酒づくりの工程(略図)
「にごり酒」
にごりの正体はもろみの一部。「搾り」の工程で、目の荒い袋で濾して、すこしだけ澱(=酒粕)を残して作ります。味わいは、もろみの自然な甘さを少し感じるものの、通常の日本酒と同程度の甘さ。お米のうまみが感じられるコクはあるものの、すっきりとした味わいのものが多いです。 2月ごろから春にかけては、少しだけ澱を残した「うすにごり」の出荷が増えます。
「どぶろく」
どぶろくの白濁の正体も、にごり酒と同じ、もろみ。どぶろくは、「搾り」の工程を行わず、澱(=酒粕)とお酒を分離せずにすべて残したものです。こちらも、甘さのレベルは通常の日本酒と同程度。にごり酒よりもさらにトロッとした口当たりになります。
「甘酒」
甘酒には「米麹」で作ったアルコールを含まないものと、「酒粕」から作ったアルコールを含むものの2種類の作り方があります。
米麹の甘酒:米麹は、蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。発酵の過程で麹自体に自然な甘みが発生します。こちらはアルコールを含みません。
酒粕の甘酒:日本酒を造る過程で発生する酒粕(=もろみを搾って残った澱)をお湯に溶かして飲んだのが始まりと言われます。酒粕自体には甘みが少ないので、砂糖を足して作るのが一般的です。
「にごり酒」の飲み方は?
ここでは、にごり酒の飲み方を紹介します。同じく酒粕がたっぷり残ったどぶろくも、同様の飲み方で楽しめますので、ぜひ試してみてください。
しっかり冷やしてストレートで!
にごり酒は、冷蔵庫で冷やして、通常の日本酒と同じようにグラスに入れてストレートで飲むと美味しいです。 特に夏の時期には、飲みやすさが増すので、スイスイ飲めてしまいます。
ロックで
「日本酒に氷を入れるなんて…」と思われるかもしれませんが、日本書紀にも記述があるほど、昔から日本の夏には氷を入れて日本酒を飲む習慣がありました。とけにくい大ぶりの氷を使うのがポイント。氷がとけるにつれゆるやかに変化する味わいを楽しめます。
ソーダ割で
にごり酒のような濃厚な味わいの お酒はソーダ割にすることで 爽やかに。炭酸で割ると度数も下がります。
1:1で爽快に、 お酒の味わいを楽しみたい方には にごり酒:ソーダを2:1の割合で。